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魚忠総務企画室佐藤 名古屋の老舗魚屋・寿司屋『魚忠』に勤務 お魚に興味を持つ情報を発信していきます。 魚を食べよう!

サンマが水族館にいない理由

はじめに 「水族館でサンマを見たことがない」——多くの方が抱く素朴な疑問です。食卓ではおなじみのサンマ(秋刀魚)が、展示ではほとんど登場しないのはなぜでしょうか。答えは、生物学的な特性(回遊・高速遊泳・繊細な体)と、飼育設備・運用上の壁(巨大水槽・一方向流・輸送と給餌の難しさ)が重なっているからです。本記事では、サンマが“水槽に向かない魚”とされる根拠を、現場での飼育条件に落とし込みながら、わかりやすく解説します。 第1章 生き物としての壁:サンマの体と行動が“飼育を拒む”理由 回遊性・高速遊泳・群泳が求 ...

ドリップを出さない保存・解凍・作り置きマニュアル

はじめに 「冷凍すると味が落ちる」「解凍したら水っぽくなる」——その原因の多くは、凍らせ方と戻し方にあります。魚の身は水分が多く、ゆっくり凍ると大きな氷結晶が筋繊維を壊し、解凍時にドリップ(うま味とミオグロビンを含む液)が流出します。逆に、素早く均一に凍結し、温度を管理しながらゆっくり解凍すれば、家庭でもプロに近い品質を再現できます。 本記事は、台所にある道具だけでできる再現性の高い手順に徹し、なぜその順番なのかまで“理屈で”説明します。 第1章 冷凍の科学とドリップの正体 氷結晶が身を壊す仕組み—急速凍 ...

焼き魚が劇的に変わる塩と火の使い方:外パリ中ふわの再現レシピ

はじめに 焼き魚は「塩をふって焼くだけ」のように見えて、実際は塩・水分・温度という三要素をどう設計するかで仕上がりが劇的に変わります。皮がパリッと割れて香ばしく、身はふっくらジューシー——この“二律背反”を同時に成立させるには、振り塩の濃度と時間、表面乾燥の度合い、加熱の立ち上げ方を数分単位で管理するのが近道です。 本記事では、プロ現場で当たり前に使われている理屈を、家庭の器具で再現できる形に落とし込みました。強火の遠火をどう作るか/皮側を先に乾かす意味/二段焼きで身を縮ませないコツなど、“なぜそうするの ...

知らなきゃ損する魚トリビア15:深海の発光から意外な歴史まで

はじめに 魚は「栄養がある」「おいしい」だけでは語り尽くせません。脂がのる仕組み、深海で光る理由、赤身と白身の差、骨が多い・少ないの“設計思想”、そして寿司の歴史まで——知れば知るほど、同じ一皿がまるで別物に感じられます。本記事では、プロの現場で語られる知識と最新の調理理論から、今日の買い物や台所仕事に直結するトリビアを15個に厳選してお届けします。 第1章 魚のからだと進化のトリビア(5選) 1. 「脂がのる」の正体はどこにある? 結論:腹身の“皮下脂肪”と身の中の“筋間脂肪(霜降り)”が鍵。魚の脂は主 ...

「良い魚の見分け方」—目利き7チェックリスト

第1章 基本の7チェックリスト(全魚種共通) ①目:透明度と黒目の張り 結論:目が澄み、黒目がくっきりしている個体を選びます。新鮮な魚の角膜は透明で、黒目は丸く締まっています。白く濁る、へこむ、充血している場合は酸化・脱水が進行。大きな目の魚(アジ・イワシなど)は特に差が出やすいので、“ガラス玉のような澄み感”を基準にしましょう。パック品はトレーの角から斜めに光を当てて確認すると濁りが見抜けます。 ②エラ:鮮紅色と粘液の状態 結論:鮮やかな紅~深紅、ぬめりは透明が合格です。エラ蓋を軽く開け、暗赤・褐色や乾 ...

魚は喉が渇かないの?海で暮らすための水分補給法

はじめに 私たち人間は水がなければ生きられません。体の約6割は水分でできており、1日でも水を飲まなければ命にかかわります。では、海や川で暮らす魚たちはどうしているのでしょうか? 「魚は喉が渇かないの?」という疑問を持ったことがある方も多いはずです。実際、魚も生きるためには体の水分バランスを維持する必要があります。しかし、魚の世界では「水を飲むか・飲まないか」は種類によって異なり、さらにその仕組みは人間とは大きく違います。 特に、塩分の濃い海で暮らす海水魚は水を飲む必要があるのに対し、淡水に暮らす川魚はほと ...

焼き魚に大根おろしを添えるのはなぜ?脂と酵素の科学

はじめに 焼き魚を食卓に並べるとき、脇にそっと添えられているのが 大根おろし。アジの塩焼き、サンマの塩焼き、サバの一夜干し――いずれも大根おろしがあることで味わいが引き立ちます。 しかし、なぜ日本人は昔から焼き魚に大根おろしを添えてきたのでしょうか?ただの「彩り」や「さっぱり感」だけではなく、実はそこには 科学的な理由 が隠されています。 大根おろしには、魚の脂をほどよく中和し、さらに酵素が働くことで消化を助ける力があります。また、古くから「魚の臭みを和らげる」という実用的な役割も担ってきました。 この記 ...

エビとカニはどこが違う?甲殻類の知られざる世界

はじめに 食卓や寿司屋でおなじみの エビ と カニ。どちらも甲殻類で、見た目も似ていますが、改めて「何がどう違うの?」と聞かれると、はっきり答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか。 実際、エビとカニは同じ「十脚目(じっきゃくもく)」に属しています。つまり仲間同士なのですが、そこからさらに分類が分かれ、体の形や暮らし方、味わいにもそれぞれの特徴があるのです。 この記事では、まず 体の構造から見た違い を整理し、次に 生態や進化の背景 に注目。そして最後に、私たちが日常で楽しんでいる エビとカニの料理 ...

もし魚がバトルロイヤルしたら?海の最強決定戦

はじめに 海には数十万種もの魚が暮らしており、その姿や能力は実に多彩です。その中でも「最強の魚は誰なのか?」という問いは、多くの人の好奇心をくすぐります。力強い顎を持つサメ、驚異的なスピードで泳ぐマグロ、鋭い吻を武器にするカジキ、そして毒で身を守るフグなど、候補者は枚挙にいとまがありません。 もちろん、魚が実際に「バトルロイヤル」をすることはありません。しかし、科学的なデータ(体の大きさ、噛む力、遊泳速度、毒性など)をもとに仮想の戦いをシミュレーションすると、「最強」とは何を意味するのかが浮かび上がってき ...

フグはなぜ毒を持つ?食文化と進化の意外な関係

はじめに 日本の食文化の中で、「フグ」ほど特別な存在感を持つ魚は多くありません。冬の味覚として珍重される一方で、「猛毒を持つ魚」としても広く知られています。多くの方が「なぜフグは毒を持っているのか?」と不思議に思ったことがあるのではないでしょうか。 実は、フグの毒の正体はテトロドトキシン(TTX)という強力な神経毒で、青酸カリの約1000倍もの致死力を持つといわれています。にもかかわらず、日本では古くからフグを「高級食材」として食べる文化が定着しており、調理には国家資格を必要とするなど、特別な扱いを受けて ...

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