知らなきゃ損する魚トリビア15:深海の発光から意外な歴史まで
はじめに 魚は「栄養がある」「おいしい」だけでは語り尽くせません。脂がのる仕組み、深海で光る理由、赤身と白身の差、骨が多い・少ないの“設計思想”、そして寿司の歴史まで——知れば知るほど、同じ一皿がまるで別物に感じられます。本記事では、プロの現場で語られる知識と最新の調理理論から、今日の買い物や台所仕事に直結するトリビアを15個に厳選してお届けします。 第1章 魚のからだと進化のトリビア(5選) 1. 「脂がのる」の正体はどこにある? 結論:腹身の“皮下脂肪”と身の中の“筋間脂肪(霜降り)”が鍵。魚の脂は主 ...
「良い魚の見分け方」—目利き7チェックリスト
第1章 基本の7チェックリスト(全魚種共通) ①目:透明度と黒目の張り 結論:目が澄み、黒目がくっきりしている個体を選びます。新鮮な魚の角膜は透明で、黒目は丸く締まっています。白く濁る、へこむ、充血している場合は酸化・脱水が進行。大きな目の魚(アジ・イワシなど)は特に差が出やすいので、“ガラス玉のような澄み感”を基準にしましょう。パック品はトレーの角から斜めに光を当てて確認すると濁りが見抜けます。 ②エラ:鮮紅色と粘液の状態 結論:鮮やかな紅~深紅、ぬめりは透明が合格です。エラ蓋を軽く開け、暗赤・褐色や乾 ...
魚は喉が渇かないの?海で暮らすための水分補給法
はじめに 私たち人間は水がなければ生きられません。体の約6割は水分でできており、1日でも水を飲まなければ命にかかわります。では、海や川で暮らす魚たちはどうしているのでしょうか? 「魚は喉が渇かないの?」という疑問を持ったことがある方も多いはずです。実際、魚も生きるためには体の水分バランスを維持する必要があります。しかし、魚の世界では「水を飲むか・飲まないか」は種類によって異なり、さらにその仕組みは人間とは大きく違います。 特に、塩分の濃い海で暮らす海水魚は水を飲む必要があるのに対し、淡水に暮らす川魚はほと ...
焼き魚に大根おろしを添えるのはなぜ?脂と酵素の科学
はじめに 焼き魚を食卓に並べるとき、脇にそっと添えられているのが 大根おろし。アジの塩焼き、サンマの塩焼き、サバの一夜干し――いずれも大根おろしがあることで味わいが引き立ちます。 しかし、なぜ日本人は昔から焼き魚に大根おろしを添えてきたのでしょうか?ただの「彩り」や「さっぱり感」だけではなく、実はそこには 科学的な理由 が隠されています。 大根おろしには、魚の脂をほどよく中和し、さらに酵素が働くことで消化を助ける力があります。また、古くから「魚の臭みを和らげる」という実用的な役割も担ってきました。 この記 ...
エビとカニはどこが違う?甲殻類の知られざる世界
はじめに 食卓や寿司屋でおなじみの エビ と カニ。どちらも甲殻類で、見た目も似ていますが、改めて「何がどう違うの?」と聞かれると、はっきり答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか。 実際、エビとカニは同じ「十脚目(じっきゃくもく)」に属しています。つまり仲間同士なのですが、そこからさらに分類が分かれ、体の形や暮らし方、味わいにもそれぞれの特徴があるのです。 この記事では、まず 体の構造から見た違い を整理し、次に 生態や進化の背景 に注目。そして最後に、私たちが日常で楽しんでいる エビとカニの料理 ...
もし魚がバトルロイヤルしたら?海の最強決定戦
はじめに 海には数十万種もの魚が暮らしており、その姿や能力は実に多彩です。その中でも「最強の魚は誰なのか?」という問いは、多くの人の好奇心をくすぐります。力強い顎を持つサメ、驚異的なスピードで泳ぐマグロ、鋭い吻を武器にするカジキ、そして毒で身を守るフグなど、候補者は枚挙にいとまがありません。 もちろん、魚が実際に「バトルロイヤル」をすることはありません。しかし、科学的なデータ(体の大きさ、噛む力、遊泳速度、毒性など)をもとに仮想の戦いをシミュレーションすると、「最強」とは何を意味するのかが浮かび上がってき ...
フグはなぜ毒を持つ?食文化と進化の意外な関係
はじめに 日本の食文化の中で、「フグ」ほど特別な存在感を持つ魚は多くありません。冬の味覚として珍重される一方で、「猛毒を持つ魚」としても広く知られています。多くの方が「なぜフグは毒を持っているのか?」と不思議に思ったことがあるのではないでしょうか。 実は、フグの毒の正体はテトロドトキシン(TTX)という強力な神経毒で、青酸カリの約1000倍もの致死力を持つといわれています。にもかかわらず、日本では古くからフグを「高級食材」として食べる文化が定着しており、調理には国家資格を必要とするなど、特別な扱いを受けて ...
魚の保存大丈夫?冷蔵庫テクとは?
魚の保存法とは 鮮度を長持ちさせる冷蔵テクで今日からできること 家庭でできる簡単な下処理と温度管理、保存容器の選び方や買い方のコツを解説し、刺身や煮魚に適した扱い方まで具体的に紹介します。魚の鮮度を保つには原因の理解と、買ってから調理までの流れでの工夫が重要です。 鮮度が落ちる原因 魚の鮮度が落ちる主な原因は、細菌の繁殖、酵素の分解、温度上昇の三つです。 細胞が壊れることで旨味や食感が低下し、臭みが強くなります。 また内臓をそのままにすると内臓内の酵素や細菌で劣化が速まります。 保存中の温度変化や保存方法 ...
海の魚はなぜしょっぱくない?塩分と体の不思議な関係
はじめに 海で泳いでいる魚を思い浮かべると、多くの方が「海の水はしょっぱいのだから、魚の身もしょっぱいのでは?」と思ったことがあるのではないでしょうか。しかし実際には、海の魚をそのまま刺身にして食べても塩辛さを感じることはありません。むしろ、旨みや脂の甘さが際立ち、塩味は調味料として後から加えなければならないほどです。 ではなぜ、魚はしょっぱい海の中で暮らしているのに、体が塩辛くならないのでしょうか。その答えは、魚が持つ体液の塩分調整機能(浸透圧調整)にあります。これは、外界と体内の塩分濃度の差をコントロ ...
生臭さの原因はコレだった!魚のにおいと科学的消臭法
はじめに 魚を調理するとき、あるいはスーパーで魚を手に取った瞬間、「ちょっと臭うな」と感じた経験はありませんか? それは、魚独特の“生臭さ”によるものです。焼き魚や煮魚にすると美味しいのに、なぜ生の状態では敬遠されがちなのでしょうか。 この生臭さ、実は魚の鮮度や保存状態だけでなく、魚の体内で自然に生まれる成分や分解の過程によっても生じることがわかっています。さらに、正しい方法で処理や保存をすれば、家庭でもほぼ無臭に近づけることが可能です。 この記事では、魚の生臭さの正体を「科学的な視点」から明らかにし、調 ...









