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魚忠総務企画室佐藤 名古屋の老舗魚屋・寿司屋『魚忠』に勤務 お魚に興味を持つ情報を発信していきます。 魚を食べよう!

“幻のホタテ”化?陸奥湾のSOSを読み解く

はじめに 青森県・陸奥湾――全国でも有数のホタテの産地として知られ、甘みと旨味を兼ね備えた極上のホタテは、長年多くの食卓を彩ってきました。しかし近年、その陸奥湾で“異変”が起きています。養殖ホタテの大量死、漁獲量の激減、価格の高騰……。かつては豊富だったホタテが、今や“幻のホタテ”になりつつあるのです。 本記事では、この“陸奥湾ホタテショック”の背景にある自然環境の変化や人間活動の影響を丁寧に解説し、私たちの食卓との関係について深掘りしてまいります。 第1章:陸奥湾で起きているホタテの異変とは? ●日本屈 ...

サバが高級魚に?“サバショック”の真相と私たちの食卓

はじめに かつて庶民の味方だったサバが、いまや「高級魚」として扱われ始めているのをご存知でしょうか?近年、魚価の高騰や漁獲量の減少、そして世界的な需要の変化によって、私たちの身近な魚・サバにも大きな変化が訪れています。今回は、“サバショック”と呼ばれるこの現象について、その原因と影響、そして私たちができることについて解説いたします。 第1章:サバはなぜ高騰したのか?“サバショック”の背景 ●“庶民の魚”サバに異変が起きている かつては焼き魚や味噌煮として家庭の定番だったサバ。脂がのっていて栄養価も高く、価 ...

魚の骨はなぜ喉に刺さる?構造と予防のポイント

はじめに 「魚を食べていたら骨が喉に刺さった!」という経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。美味しい魚料理が一転して“苦い記憶”になる瞬間――それは、魚の骨が持つ特徴と、私たちの喉の構造に原因があります。今回は、魚の骨がなぜ刺さりやすいのか、その理由とともに、日常でできる予防法や、刺さったときの対処法までを丁寧に解説いたします。 第1章:魚の骨の構造と特徴:なぜ刺さりやすいのか? ●魚の骨は“しなやかで鋭い” 魚の骨は、哺乳類のような太くて硬い骨とは異なり、細く、柔軟で、先端が鋭い形状をしています ...

イカとタコ、どう違う?進化と知能の意外な真実

はじめに 「イカとタコって、どっちが頭がいいの?」「似ているようで違うよね」普段よく食べている海の幸、イカとタコ。実はこの2つ、見た目や食感だけでなく、進化の過程や能力にも驚くほどの違いがあります。今回は、イカとタコの違いを、構造・行動・知能などの視点から掘り下げてご紹介いたします。 第1章:イカとタコの体の違いと進化のルーツ ●同じ軟体動物、でも分類が違う イカもタコも、分類上は「軟体動物門・頭足綱」に属する仲間です。しかし実際には、そこからさらに別の系統に分かれており、 という分類になります。名前のと ...

“白身”と“赤身”の本当の違いは?筋肉と酸素の関係を解説

はじめに 魚を食べるとき、自然と「これは白身だな」「これは赤身だな」と分類していますが、その違いは一体どこから来ているのでしょうか?味や色の違いはもちろんのこと、実は魚の“筋肉の種類”や“泳ぎ方”“酸素の使い方”にまで深く関係しています。本記事では、白身魚と赤身魚の構造的な違いと、それが味や栄養にどう影響するのかを、わかりやすく解説いたします。 第1章:赤身魚と白身魚の違いは「筋肉」にあった ●見た目だけじゃない「赤」と「白」の意味 私たちが魚を選ぶとき、自然と「赤身か白身か」を意識しています。マグロやカ ...

“脂がのっている”ってどういう意味?魚の美味しさの指標とは

はじめに 魚を語るうえでよく聞く表現――「脂がのっている」。これは“おいしい魚”を表す代名詞のように使われていますが、実際にはどういう状態を指すのでしょうか?今回は、「脂がのっている」とは何か、その正体や魚の部位による違い、そして脂の質と味わいについて、わかりやすく解説してまいります。 第1章:「脂がのっている」とはどういう状態か? ●「脂がのっている」は“旬”の合図 魚に関する会話でよく聞く言葉、「脂がのっていて美味しいですね」。これは単なる感覚的な表現ではなく、実際に魚の身に脂肪が豊富に含まれている状 ...

なぜ刺身は醤油で食べるのか?歴史と科学を解説

はじめに 日本料理の象徴ともいえる「刺身」。その刺身を食べる際、当然のように添えられるのが「醤油」です。しかし、なぜ刺身には必ずと言っていいほど醤油が使われるのでしょうか?今回は、刺身と醤油の組み合わせが生まれた歴史、そして科学的にも理にかなったその理由について詳しく解説いたします。 第1章:刺身と醤油の歴史的な結びつき ●刺身文化のはじまり 刺身が日本の食文化に登場したのは、室町時代(14〜16世紀)ごろとされています。それ以前も魚介類を生で食べる習慣はありましたが、本格的に「生の魚を切り分けて供する」 ...

フグはなぜ毒を持つ?テトロドトキシンの秘密

はじめに 「フグ」と聞くと、真っ先に思い浮かべるのが「毒」。高級食材でありながら、取り扱いには特別な免許が必要とされる危険な魚です。では、なぜフグはそんな強力な毒「テトロドトキシン」を持っているのでしょうか?今回は、フグ毒の正体と、その不思議な生態について深掘りしていきます。 第1章:フグ毒「テトロドトキシン」とは何か? ●テトロドトキシンとは? 「テトロドトキシン(Tetrodotoxin)」は、フグの体内に含まれる強力な神経毒です。わずか数ミリグラムでも人間に致死量となるほどの毒性を持ち、自然界に存在 ...

深海魚が光る理由とは?神秘の世界を科学する

はじめに 太陽の光が届かない深海。その暗闇の中で、自ら光を放つ魚たちがいます。なぜ深海魚は光るのでしょうか?そして、その光にはどのような意味が隠されているのでしょうか?今回は、深海魚の発光メカニズムと、そこに秘められた生き残りのための驚きの戦略をご紹介いたします。 第1章:深海魚はどうやって光を生み出しているのか? ●深海という過酷な世界 深海とは、一般に水深200メートルより深い海域を指します。そこは、太陽光がほとんど届かず、昼夜を問わず真っ暗闇が広がる世界です。さらに、水温は常に低く、圧力は地上の何百 ...

魚はなぜヒレで泳げるのか?水中の運動力学を解説

はじめに 水の中をスイスイと泳ぐ魚。なぜあれほど滑らかに、自由自在に動けるのでしょうか?その秘密は「ヒレ」と「体の形状」にあります。本記事では、魚が泳ぐための構造やヒレの種類、そして水中での運動の仕組みを、分かりやすく解説いたします。知ればきっと、次に魚を見る目が変わるはずです。 第1章:魚のヒレの種類とそれぞれの役割 ●「ヒレ」は魚の“舵”であり“エンジン”である 魚の泳ぎを支えている最大の特徴が「ヒレ」です。魚には複数の種類のヒレがあり、それぞれが異なる役割を担っています。単に推進力を生むだけでなく、 ...

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