はじめに 海で泳いでいる魚を思い浮かべると、多くの方が「海の水はしょっぱいのだから、魚の身もしょっぱいのでは?」と思ったことがあるのではないでしょうか。しかし実際には、海の魚をそのまま刺身にして食べても塩辛さを感じることはありません。むしろ、旨みや脂の甘さが際立ち、塩味は調味料として後から加えなければならないほどです。 ではなぜ、魚はしょっぱい海の中で暮らしているのに、体が塩辛くならないのでしょうか。その答えは、魚が持つ体液の塩分調整機能(浸透圧調整)にあります。これは、外界と体内の塩分濃度の差をコントロ ...