はじめに 「冷凍すると味が落ちる」「解凍したら水っぽくなる」——その原因の多くは、凍らせ方と戻し方にあります。魚の身は水分が多く、ゆっくり凍ると大きな氷結晶が筋繊維を壊し、解凍時にドリップ(うま味とミオグロビンを含む液)が流出します。逆に、素早く均一に凍結し、温度を管理しながらゆっくり解凍すれば、家庭でもプロに近い品質を再現できます。 本記事は、台所にある道具だけでできる再現性の高い手順に徹し、なぜその順番なのかまで“理屈で”説明します。 第1章 冷凍の科学とドリップの正体 氷結晶が身を壊す仕組み—急速凍 ...