はじめに 魚のフライは「揚げる技術」だけで決まりません。衣=粉の設計で8割が決まります。薄力粉はグルテンで接着と香ばしさを担い、米粉はグルテンを含まないため軽く歯切れ良い殻を作り、片栗粉(馬鈴薯デンプン)は薄膜で水分を閉じ込める役目を持ちます。つまり、粉の配合を変えるだけで、同じ魚でもサクッ/カリッ/ふわっのバランスがガラッと変わるのです。 本稿では、家庭でも再現しやすい黄金比(薄力:米粉:片栗)と、魚種・厚み別の油温チャートを明示します。グルテンの出過ぎを抑える混ぜ方、ベチャつきを起こさない打ち粉→バッ ...