魚豆知識

魚はどこで眠るの?目を閉じないナゾの睡眠事情

はじめに

「魚って、眠るの?」
そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?

私たち人間は、目を閉じて、布団に入り、眠ります。
では、まぶたがなく目を閉じない魚は、いったいどうやって休んでいるのでしょうか?

今回は、魚の“睡眠”に関する科学的な知見と、観察から分かってきた実態をもとに、

  • 魚は本当に眠っているのか?
  • どこで、どうやって眠っているの?
  • 夜行性の魚はいるの?
  • 寝るときも泳ぎ続ける魚がいる?

など、魚の眠りにまつわる不思議をやさしく解説してまいります。

第1章 魚は眠るのか?目を閉じない“眠り”の定義

「魚は眠るのか?」という疑問に、科学的には**「はい、眠ります」**というのが答えです。
ただし、私たち人間のように目を閉じて動かなくなる“眠り”とは、少し異なるスタイルです。


■ 魚に「まぶた」はない

まず知っておきたいのが、魚にはまぶたがないということ。
そのため、眠っていても目を開けたままの状態に見えるのです。

これは水中生活に適応した構造で、まぶたの代わりに透明な角膜が水の刺激から目を守っているため、閉じる必要がないのです。

👉 「目を閉じない=眠らない」ではない、という点が重要です。


■ 魚の眠りは「脳の活動をゆるめる休息状態」

魚の睡眠は、人間のような「レム睡眠・ノンレム睡眠」の区別が明確ではありません。
それでも、

  • 動きが鈍くなる
  • 外からの刺激に対する反応が鈍る
  • 決まった時間にじっとしている

といった行動が確認されており、**「脳や身体を休ませている状態」**と見なされています。


■ 睡眠行動は魚種によって異なる

魚によって、眠りのスタイルもさまざまです。

  • 昼に活動し、夜は静かに休む「日行性」の魚(タイ、アジなど)
  • 夜に活動し、昼はじっとする「夜行性」の魚(ウツボ、ナマズなど)

👉 飼育されている魚や自然の中の魚を観察すると、「動かなくなる時間」がはっきり見られます。


■ 魚の“休息”のメリット

魚にとっての眠り(休息)は、次のような目的があると考えられています。

  • 脳や神経の回復
  • エネルギーの温存
  • 夜間の捕食回避(動かないことで敵に見つかりにくくなる)

つまり、「目を開けたままじっとしている」姿でも、**魚はしっかり“眠っている”**のです。


次章では、そんな魚たちが「どこで、どうやって眠るのか?」に注目し、
魚種ごとの寝床の特徴や、休息スタイルの違いをご紹介してまいります。

第2章 魚はどこでどうやって眠っている?種類による違い

魚は目を開けたままでも、ちゃんと眠っている――
では、実際に魚たちはどんな場所で、どんなふうに休んでいるのでしょうか?

魚の種類や生息環境によって、眠り方や“寝床”の選び方には大きな違いがあります。


■ 岩陰や海藻の中でじっとするタイプ

多くの魚は、眠るときに敵から身を守るため、物陰や狭い場所に身を潜めます。

  • メバル・カサゴなどの根魚:岩のすき間や海底のくぼみにじっとして休む
  • ハゼ類:砂の上で動かずに静止して眠る
  • ウツボなど:昼間は岩穴でじっとしている(夜行性のため)

👉 自然界では、「動かないことで目立たなくなる」=天敵から身を守る眠り方ともいえます。


■ 砂の中に潜るタイプ

  • ヒラメ・カレイ・キスなどの砂底性の魚は、眠るときに砂の中に潜り、体を隠すことがあります。
  • これは、休息中に捕食者に狙われるのを避けるための行動です。

👉 「身を隠す」というのは、魚の眠りにおける大事なポイントです。


■ サンゴの間に入り込むタイプ

  • **熱帯魚の多く(チョウチョウウオやハタ類など)**は、夜になるとサンゴの隙間に入り込んでじっとします。
  • 動きを止め、ひらひらと漂うのをやめることで、捕食者の目を逃れる眠り方をしています。

■ 眠っても泳ぎ続ける魚もいる

意外なことに、一部の魚は止まらずに泳ぎながら眠るという習性を持っています。

次章では、その驚きの「泳ぎながら眠る魚たち」について詳しく解説いたします。
サメやマグロのような“止まれない魚”の秘密に迫っていきます。

第3章 泳ぎながら寝る魚もいる?進化と環境への適応

魚の中には、「止まると呼吸できない」種類が存在します。
そんな魚たちはどうやって眠るのでしょうか?
実は、泳ぎながら眠るという驚きの方法で休息をとっているのです。


■ サメやマグロは「止まれない魚」

たとえばサメやマグロのような回遊魚は、エラに水を通して呼吸をするために、常に泳ぎ続ける必要があります。

  • 止まるとエラに水が流れなくなり、酸素が取り込めなくなる
  • そのため、完全に動きを止める“睡眠”はとれない

👉 このような魚は、「脳の一部だけを休ませる」ことで、泳ぎながら眠るという特異な方法に進化したと考えられています。


■ “半球睡眠”というしくみ

イルカや渡り鳥と同じように、サメやマグロなど一部の魚は、脳の左右の半球を交互に休ませる「半球睡眠」をしているといわれます。

  • 脳の右側が休んでいるとき、左側は活動して泳ぎ続ける
  • 同時に両側を完全に休ませることはない

👉 この方法なら、泳ぎを止めずに命を維持しながら回復もできるのです。


■ 進化と環境の適応のたまもの

泳ぎながら眠るという能力は、長距離を泳ぎ続ける生活スタイルや、外敵の多い環境に適応してきた結果ともいえます。

  • マグロやカツオなどは、餌を探して海を移動し続ける回遊魚
  • サメの仲間には、浅瀬にとどまる種類もいれば、深海まで移動する種も存在

👉 「眠る=止まる」とは限らない、驚きの進化の形です。


魚たちは、私たちの想像以上に環境に応じた多様な“眠り方”を持っているのです。

次の「おわりに」では、魚の眠りを通して見えてきた、彼らの生態や知恵の深さについて振り返ってまいります。

おわりに 眠り方ひとつとっても、魚は奥深い

「魚は眠るのか?」という素朴な疑問から始まった今回のテーマ。
調べてみると、魚たちは人間とはまったく違うスタイルで、確かに“休息”を取っていることがわかりました。


  • 目を閉じずに眠る
  • 岩陰や砂に身を隠して眠る
  • サンゴのすき間でひっそり休む
  • さらには泳ぎながら脳を部分的に休める魚まで

眠る姿ひとつとっても、魚たちはその環境に合わせて、驚くべき適応を遂げているのです。


このような“違い”に目を向けることで、
私たちは魚に対して、単なる「食材」ではなく、生き物としての魅力や奥深さを改めて感じることができます。

「魚ってすごいな」「もっと知りたいな」――
そんな気持ちが芽生えたなら、今日の食卓もきっと少し楽しくなるはずです。

今後もこのブログでは、魚にまつわるさまざまな雑学や調理のヒントをお届けしてまいります。
ぜひ、また遊びに来てくださいね。

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