さばき方 魚豆知識

「魚のプロが教える!美味しい魚の見分け方と選び方」

もくじ

はじめに

魚は健康的で美味しい食材ですが、「新鮮な魚を選ぶのは難しそう」と感じる方も多いのではないでしょうか?
スーパーや市場にはたくさんの種類の魚が並んでいますが、見た目だけでどれが美味しいのかを判断するのは意外と難しいものです。

しかし、実はプロの魚屋さんや料理人が使っている「美味しい魚を見極めるコツ」があります。目の色や身の張り、皮のツヤなど、いくつかのポイントを押さえれば、誰でも簡単に新鮮な魚を選べるようになります。
また、購入後の保存方法や魚の種類ごとの選び方を知ることで、より美味しく魚を楽しむことができます。

本記事では、魚のプロが実践している「新鮮な魚の見分け方」や「購入場所の選び方」、「保存のコツ」などを分かりやすく解説します。
魚選びのポイントをマスターして、日々の食卓にもっと美味しい魚を取り入れましょう!

1.魚選びの基本!鮮度が良い魚とは?

美味しい魚を選ぶためには、鮮度を見極めることが何より大切です。
魚は時間が経つと劣化し、味や食感が落ちてしまいます。
ここでは、スーパーなどで簡単にチェックできる「鮮度の良い魚の見分け方」を、丸魚切り身の両方に分けて紹介します。

丸魚(丸ごと一匹の魚)の鮮度チェックポイント

1. 目が澄んでいて輝いているか?

新鮮な魚の目は、透明感があり、黒目がくっきりしています。白く濁っていたり、くぼんでいたりする魚は鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。

2. エラの色が鮮やかな赤色か?

エラの色を見ると、魚の鮮度がよく分かります。新鮮な魚はエラが血の通ったような鮮やかな赤色をしています。鮮度が落ちると茶色や黒っぽくなり、ぬめりが出てくるので注意しましょう。

3. 身にハリと弾力があるか?

指で軽く押してみて、弾力がありすぐに戻るものが新鮮です。押した跡が残る魚や、身がブヨブヨとしている魚は鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。

4. 皮にツヤと透明感があるか?

新鮮な魚の皮はツヤツヤとしており、うろこがしっかりと付いています。皮が乾燥していたり、くすんだ色になっている場合は、時間が経っている証拠です。


切り身の鮮度チェックポイント

1. 身の色が鮮やかで透明感があるか?

切り身は、鮮やかな色をしていて、透明感があるものが新鮮です。白っぽく変色していたり、乾燥してパサパサしているものは鮮度が落ちています。

2. 脂が適度にのっているか?

鮮度の良い切り身は、表面にうっすらと脂がのっており、ツヤがあります。脂が酸化して黄色っぽく変色しているものは避けましょう。

3. ドリップ(血や水分)が出ていないか?

パック内に赤い血や水分(ドリップ)が多く出ているものは、鮮度が落ちている可能性が高いです。できるだけドリップの少ないものを選びましょう。

4. 身がしっかりしていて崩れていないか?

切り身の端がボロボロと崩れていたり、触ると柔らかすぎるものは避けたほうが無難です。新鮮な切り身は身が締まっていて、しっかりと形を保っています。

新鮮な魚を選ぶポイントを押さえよう!

丸魚も切り身も、鮮度が落ちると味や食感が大きく変わります。スーパーや市場で魚を選ぶ際は、目・エラ・身・皮・臭いをしっかりチェックして、美味しい魚を選びましょう!

次の章では、さらに詳しく「種類別の魚の選び方のコツ」を解説します。魚の種類によって、選び方にどのような違いがあるのかを見ていきましょう!

2. 種類別!魚の選び方のコツ

魚にはさまざまな種類があり、それぞれに適した選び方があります。白身魚、青魚、貝類、エビ・カニ、切り身など、それぞれの特徴を理解することで、より美味しく新鮮な魚を選ぶことができます。ここでは、代表的な魚の種類ごとに「鮮度の見分け方」と「選び方のポイント」を紹介します。

白身魚(タイ、ヒラメ、タラなど)

白身魚の鮮度を見分けるには、まず目をチェックします。新鮮な白身魚は、目が澄んでいて黒目がくっきりしています。白く濁っているものは鮮度が落ちている可能性が高いです。身に透明感があり、張りがあるものが新鮮で、エラが鮮やかな赤色でぬめりが少ないものを選びましょう。

タイやヒラメは体がふっくらしていて、皮にツヤがあるものが美味しいです。切り身の場合、ドリップ(血や水分)が出ていないものを選ぶのがポイントです。タラは身が柔らかい魚なので、なるべく新鮮なものを購入し、早めに調理するのがベストです。

青魚(サバ、イワシ、サンマなど)

青魚の鮮度を見極めるには、皮のツヤが重要です。銀色に輝いていてツヤがあるものは新鮮ですが、くすんでいるものは避けた方がよいでしょう。身に張りがあり、指で押しても弾力があるものを選びます。エラが赤く、魚の表面にぬめりが少ないものが良いです。また、鮮度が落ちると腹が凹んでくるため、腹がふっくらしているものを選びましょう。

サバは脂ののりが良いものが美味しいので、身にツヤがあるものを選ぶのがポイントです。イワシは特に傷みやすいため、目の透明感と体のツヤをよくチェックしましょう。サンマは口先が黄色いものほど新鮮とされているので、見比べてみると良いです。

貝類(アサリ、ハマグリ、ホタテなど)

貝類は殻がしっかり閉じているものを選ぶことが大切です。開いているものは鮮度が落ちている可能性が高いため避けましょう。表面にツヤがあり、乾燥していないものが新鮮です。軽く叩くと「カチン」と響くような音がするものが良く、濁った音がするものは中身が弱っている可能性があります。

アサリやハマグリは、殻がしっかりしていて重みがあるものが美味しいです。ホタテは貝柱がふっくらとしていて、締まりのあるものを選びましょう。砂抜きがされていない貝は、調理前にしっかり砂抜きをすることが大切です。

エビ・カニ

エビは殻の色が鮮やかで、身が透明感のあるものを選びます。黒ずんでいるものは避けた方がよいでしょう。カニは甲羅が硬く、身が詰まっているものが新鮮です。軽いものは身が少ない可能性があるため、持ったときにずっしりと重みを感じるものを選びます。

ブラックタイガーやクルマエビは、色が濃く鮮やかなものが新鮮です。カニは脚がしっかりと動いているものが良く、死んで時間が経つと脚が取れやすくなるため注意が必要です。

切り身魚(マグロ、ブリ、サケなど)

切り身は色が鮮やかで、透明感があるものが新鮮です。変色しているものは避けましょう。脂の部分が白く濁っていないかもチェックし、酸化して黄ばんでいるものは選ばないようにします。ドリップ(血や水分)が出ていないものが新鮮な証拠です。

マグロは赤身がくすんでいないものを選びましょう。新鮮なものは鮮やかな赤色をしています。ブリは脂がのっている部分にツヤがあり、身が引き締まっているものが良いです。サケはオレンジ色が鮮やかで、筋がはっきりしているものが美味しいです。

魚の種類ごとに適した選び方をマスターしよう!

魚の種類によって、新鮮なものの見極め方が少しずつ異なります。魚を選ぶときは、目、皮、身、エラ、臭いなどのチェックポイントを意識して、より美味しく安全な魚を選びましょう。

3. 魚を長持ちさせる保存方法とは?

新鮮な魚を美味しく食べるためには、適切な保存方法が欠かせません。魚は時間が経つと鮮度が落ち、臭みが出てしまいますが、正しい保存方法を実践すれば、美味しさを長く保つことができます。ここでは、冷蔵・冷凍・干物・塩漬けなど、魚の鮮度をキープするための保存テクニックをご紹介します。

1. 冷蔵保存の基本

魚を冷蔵保存する場合、購入後すぐに適切な処理を行うことが大切です。

・丸魚の場合は、内臓とエラを取り除き、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ります。ラップで包み、さらにポリ袋や保存容器に入れて冷蔵庫のチルド室で保存すると、鮮度を保ちやすくなります。
・切り身の場合は、ドリップ(血や水分)を取り除き、キッチンペーパーで包んでからラップや密閉容器に入れると鮮度をキープできます。
・保存期間の目安は、丸魚で1〜2日、切り身で2〜3日です。できるだけ早めに食べるのがおすすめです。

2. 冷凍保存のコツ

魚を長期間保存するなら、冷凍が最適です。ただし、正しい方法で冷凍しないと、鮮度が落ちたり、解凍時に旨味が逃げたりしてしまいます。

・丸魚は、内臓とエラを取り除き、水気をしっかり拭いてから、一尾ずつラップで包み、さらにジップ付きの保存袋に入れて冷凍します。
・切り身は、一切れずつラップで包み、アルミトレーにのせて急速冷凍すると、旨味を逃さず保存できます。
・すでに加熱調理した魚(焼き魚や煮魚)も、冷凍可能です。小分けして保存袋に入れ、冷凍庫で保存しましょう。
・保存期間の目安は、丸魚・切り身ともに約1ヶ月です。

3. 干物にして保存する方法

干物にすると、魚の旨味が凝縮し、長期間保存できるようになります。

・開いた魚(アジ、サバなど)を塩水(3%程度)に30分ほど漬け、風通しの良い場所で半日〜1日ほど干します。
・干物にした魚は、冷蔵庫で約1週間、冷凍庫で1ヶ月ほど保存可能です。
・市販の干物を購入した場合も、冷凍保存すればより長持ちします。

4. 塩漬け・味噌漬けで保存する

塩漬けや味噌漬けにすることで、魚の保存性が高まり、味わいも深くなります。

・塩漬け:魚の切り身に塩を振り、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫で保存します。余分な水分が抜け、旨味が増します。
・味噌漬け:魚の切り身を味噌・酒・みりんを混ぜた漬け床に漬け込み、1〜2日寝かせると風味豊かな味噌漬けが完成します。

5. 正しい解凍方法で美味しさをキープ

冷凍した魚を解凍する際は、常温解凍ではなく、冷蔵庫でゆっくり解凍するのがポイントです。

・半日〜1日かけてゆっくり解凍すると、ドリップが少なくなり、旨味を保つことができます。
・急いで解凍したい場合は、氷水に浸けて解凍すると、鮮度が保たれやすくなります。
・電子レンジの解凍モードを使用すると、部分的に火が通ることがあるのでお勧めしません。

魚を正しく保存して、美味しさを長く楽しもう!

魚は適切な方法で保存することで、鮮度を維持し、美味しく食べることができます。冷蔵・冷凍・干物・塩漬けなど、自分のライフスタイルに合った方法で保存し、いつでも新鮮な魚を楽しみましょう。

次の章では、プロが実践する「魚の美味しさを引き出す調理のコツ」をご紹介します!

4. プロの裏技!さらに美味しく魚を楽しむためのテクニック

美味しい魚を手に入れたら、その味を最大限に引き出したいですよね。魚のプロたちは、ちょっとした工夫で魚の臭みを抑えたり、旨味を引き出したりしています。ここでは、家庭でも簡単にできる「魚をさらに美味しくするテクニック」をご紹介します。

1. 魚の臭みを取る下処理のコツ

魚の臭みは、血や内臓の残り、皮のぬめりなどが原因です。調理前にしっかり下処理をすることで、驚くほど風味が良くなります。

流水で血合いをしっかり洗い流す
魚を捌いた後、特に血が残りやすい部分(背骨や腹骨周り)は、流水でしっかり洗い流します。これだけでも臭みが軽減されます。

塩を振って余分な水分を抜く
切り身や丸魚の表面に軽く塩を振り、10〜15分ほど置いておくと、余分な水分と一緒に臭みが抜けます。その後、キッチンペーパーで水分を拭き取れば、さらにスッキリした味わいになります。

酒や酢で軽く洗う
日本酒や酢を少量まぶして5分ほど置くと、魚特有の臭みが和らぎます。特に青魚(サバ・イワシ・サンマ)は、酒を使うとより食べやすくなります。

2. 旨味を引き出す熟成のテクニック

魚は、買ってすぐに食べるのも良いですが、少し寝かせることで旨味が増す種類もあります。

白身魚(タイ、ヒラメなど)は1日寝かせると甘みが増す
魚を捌いた後、キッチンペーパーで包み、ラップをして冷蔵庫で寝かせると、余分な水分が抜けて旨味が濃縮されます。

青魚(サバ、イワシ)は軽く酢で締めるとコクが増す
酢で締めることで、余分な水分が抜け、しっとりとした食感になります。シメサバや酢漬けのイワシは、こうした技術を活かした料理です。

3. 焼き魚をワンランクアップさせるコツ

焼き魚は、シンプルながらも奥が深い料理です。ちょっとした工夫で、格段に美味しくなります。

皮をパリッと焼くために、表面の水分をしっかり取る
焼く前に魚の表面の水分を拭き取ることで、皮がパリッと仕上がります。特にサンマやブリなどの焼き魚には有効です。

強火で表面を焼き、弱火でじっくり火を通す
いきなり弱火で焼くと、水分が抜けてパサパサになりがちです。まず強火で皮をしっかり焼いてから、火を弱めて中まで火を通すのがポイントです。

網焼きやグリルを使うと香ばしさアップ
フライパンでも焼けますが、網焼きやグリルを使うと、余分な脂が落ち、香ばしく仕上がります。炭火焼きなら、さらに風味豊かになります。

4. 煮魚を美味しく仕上げるポイント

煮魚は、味がしっかり染み込んだご飯が進む一品です。煮崩れせず、味がしっかり入るコツを押さえましょう。

魚は湯通ししてから煮る
サバやカレイなどの煮魚は、熱湯をかけることで表面のぬめりや臭みが取れます。これをするだけで、上品な味わいに仕上がります。

落とし蓋を使う
煮汁が均等に回るように、クッキングシートやアルミホイルで落とし蓋をすると、味がしっかり染み込みます。

短時間で煮ることで身がふっくら
長時間煮ると身が崩れやすくなるため、魚の種類によって煮る時間を調整しましょう。サバの味噌煮は15分程度、タイの煮付けは10分ほどが目安です。

5. 揚げ魚をカラッと仕上げる秘訣

揚げ魚は、サクサクとした衣とふんわりした身の食感が魅力です。カラッと仕上げるためのポイントを押さえましょう。

魚の水分をしっかり拭き取る
衣をつける前に、水分をしっかり取ることで油ハネを防ぎ、サクッとした仕上がりになります。

衣を二重につけるとサクサク感がアップ
小麦粉→溶き卵→パン粉の順に2回つけると、よりサクッとした食感になります。

高温(180℃)で揚げると余分な脂が落ちてヘルシーに
温度が低いとベチャっとなりやすいため、しっかり温度を上げてから揚げると、サクサクに仕上がります。

プロの技を取り入れて、魚料理をもっと美味しく!

魚の臭みを取る下処理や、焼き方・煮方・揚げ方の工夫を取り入れるだけで、家庭の魚料理がワンランクアップします。今回紹介したテクニックを活用して、魚の美味しさを最大限に引き出しましょう。

終わりに

魚は、日本の食文化に欠かせない食材であり、健康にも良い優れた食品です。しかし、新鮮で美味しい魚を選ぶには、ちょっとしたコツが必要です。今回の記事では、プロが実践する「美味しい魚の見分け方」や「種類別の選び方」、「保存方法」や「調理のコツ」などを詳しくご紹介しました。

魚を選ぶ際は、目の透明感やエラの色、身の張りや皮のツヤをチェックし、種類ごとの特徴を押さえることで、より美味しい魚を手に入れることができます。また、適切な保存方法を実践することで、鮮度を長持ちさせることができ、調理の工夫次第でさらに美味しく楽しむことができます。

魚料理は、シンプルながらも奥が深く、少しの工夫で味がぐんと引き立ちます。
魚選びがもっと楽しくなるように、今回の知識をぜひ活用してください。そして、新鮮な魚を食卓に取り入れ、美味しさと健康を両方楽しんでください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも、魚の魅力を最大限に引き出し、美味しく食べるヒントをお届けしていきます!

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